心の中を恐怖が支配する・・・
前回の続きです。
前回は→こちらから
あせるエイ子・・・
・・・つづく
(もう帰って・・・)
心理的ゆさぶりにかかるエイ子
急に大声で取り乱すセールスレディ。
「どうして私が嫌がることをいうの?」
「わざとでしょ?」
「そうやって意地悪してるんでしょ?」
とたたみかけるようにエイ子に向かって叫びます。
エイ子はただただ驚いて、
「い、いえそんなわけでは・・・」
と答えてしまいました。
すると、セールスレディの態度は一変します。
「ちがうの?」
これでまた元どおりです。さっきまで断られて取り乱したのがうそみたいに、元の話に戻れるようになりました。
※以下、詳しく解説
これは、1対1の逃げられない場所で目の前でやられたら心理的に大きなゆさぶりになります。
やり口としてはこうです。
まず、大騒ぎしたあとのことば、
「どうして私が嫌がることをいうの?」→私が嫌がることを言うとさわぐわよということ。
「わざとでしょ?」→エイ子はわざとではないので「違う」としか答えられない。
「そうやって意地悪してるんでしょ?」→エイ子は別に意地悪で言っているわけではないので「違う」としか答えられない。
エイ子が「い、いえそんなわけでは・・・」と言ったら間髪入れずに
「ちがうの?」ときます。わざとじゃない、いじわるじゃないことに対する回答だったのに、セールスレディは「私、必要ないんで」というエイ子が化粧品を断ったことが「ちがう」と置き換えてしまいました。
これで元の会話に戻れます。しかし、実はこの流れ、エイ子にとっては元よりさらに立場が弱くなっています。
エイ子はセールスレディの嫌がることをいうのが怖くなり、ますます断われなくなったのです。
・・・・
さらに、クリーニング代のこと(エイ子の過失を遠回りに責める)
トイレ修理のこと(本来、何十万という修理代を自分がかからなくしてあげたと恩にきせる)
をかぶせてきました。
ここまでくると、もはやエイ子さんは、何も言えなくなってしまいます・・・
これまでの話を読み返してみてください。セールスレディはここまで幾重にも周到に準備をすすめてきていたのです。
エイ子さん、心理的にもかなり追い詰められた状況です。
・・・次回につづきます
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